巨大なツタだけが恐ろしい敵ではない。
壁穴から出ていた小さなツタの攻撃を擦りつつも、ここまでは進んできた。

だが今の私達の前には、会いたくない敵がいた。



フォーオブ・ア・カインドだ。
一度私達を見つけると、4本のツタでしつこく追いかけ回してくる。
そのツタに1本でも捕まってしまえば、残りのツタが私の四肢を捕らえるだろう。
「っつ・・・ただでさえ、切り傷が痛むのに・・・」
『ま、また見つかったりしたら・・・』
角の陰に隠れていた私達であったが、まるでそれさえも許してくれないかのように、
そこにあの小さなツタが壁穴から出ていたのに気付いていなかった。

『! シズク、左っっ!!』
「!?」
小さなツタの薙ぎ払いをバックステップで避けたが、角の陰から飛び出してしまった。
「っ、はっ!」
勿論、フォーオブ・ア・カインドは私達を見逃す訳が無かった。
4本のツタを足のように動かして素早くこちらに来る。
「くそっ、来るなっっ!!」
雫が銃を撃つが、先程からのダメージのせいで狙いが中々定まらない。



シュルルッ



「! しまっ・・・!」
素早く伸びた1本のツタが、銃を持っていた右手に巻き付く。
「こ、このっ!」
しかし間髪入れずに、今度は左手にツタを巻き付けてきた。
両手を思いっきり広げられ、ついには両足にもツタを巻き付けられてしまった。

『シ、シズクッ!』
「く・・・そっ! 離せ・・・離せぇっ!」
もがいて暴れる雫の抵抗もむなしく、私の体がアカインドの真上へと持ち上げられる。



そして、






ブヂッッッ



『!!!!!!」



私の四肢は、突然引き千切られた。
その痛みに 私は  気を   失った。






千切られた四肢を貪り、
狂い喜ぶかのように4本のツタは、そこに転がっていた丸い体に巻き付いた。
その体は、既に痙攣さえもしていなかった。







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