「何とか2枚目も手に入りましただ〜っ」
「お疲れさまリュー」
・・・リュ?
聞き覚えの無い声と語尾が、丁度真後ろから聞こえた。
間違いなくパラシェイトではない。



振り向くと、そこに声の主がいた。
「・・・ど、どちら様ですだ?」
「ボキュは『エルケリーネ』でリュ。
 アルカロイドの匂いがしたので、途中からついてきたのでリュ」
アルカロイド・・・あぁ、エッグナーの出してきた粘液の気化した匂いだろうか。
外の空気によって発散はしたが、それでもまだ微かに匂いが付いていたのだろう。

「って、いつの間についてきてたのですだっ」
「あのフォーオブ・ア・カインドが巨大ツタに引きずり込まれた所リュ。
 あなたの後ろから、ちょっと離れた所からコソコソッと・・・」
警戒心は高めていたが、そういえば後方は少し緩めていたかもしれない。
・・・きっと攻撃意識が無いから、
エルケリーネは目の前で普通に話しているのだ。
これがもし凶暴化した生物兵器だったら、きっと危なかっただろう。

それにしても・・・、エルケリーネの体はカービィと少し離れてる感じがした。
細長い触手のような2本の手、口からニョロッと出ている舌も、また長そうだ。
本来そこにあるはずの左目は、代わりに額の辺りに移転している。
足も二股に分かれており、後ろをよく見ると心臓か肝臓のような物が出ていた。

「・・・あぁー、ボキュも一応生物兵器として改造された身なのでリュ。
 けど、戦闘能力がそんなに無いから大人しくしてたのリュ」
そしてウロウロと出歩いているうちに、たまたま私の姿を見かけたのだとか。

「あ、フルエとシズクお疲れさま〜・・・後ろの子、誰?」
『今度こそパラシェイトね』
「そのようですだっ」



同じ研究所にいた者同士か、パラシェイトとエルケリーネはすぐ打ち解けた。
さすがにパラシェイトも、私に敵意が無い者に寄生する気はなかった。
「そ、それでパラシェイトッ。
 次行く場所はどんなとこなのですだっ?」
「次の場所ねぇ〜・・・、私もちょっとあれは見るのがキツかったわ。
 一言で言うと・・・『虫地獄』ね」
『虫地獄』、確かに私は虫が好きとは言えない。
むしろウゾウゾと蠢いてる小さな虫は苦手な方であったし。
パウダストのようなヒラヒラ飛んでるようなのは平気であったが、
クモーレンみたいなグロテスクな色や形の物を見た時は、悪寒が走った程である。
『虫ねぇ、あたしはまぁ生物兵器でたっぷり見てるから慣れてるけど。
 ・・・けどやっぱ、集団で集られるのはごめんだわっ』

雫も、いくら見慣れている物でも危険性や不気味さからしてみれば苦手そうである。






テターニアやエッグナーの場所へと向かう道とは反対方向、
つまり雫と私がエントランスにたどり着くまでにあった途中の扉から、
その虫地獄に続く通路があった。
最初は扉にロックがかかっていたが、パラシェイトが影の能力を使って
内側からロックを解除したようだ。
「どど、どんな虫が現れるのですだ・・・?」
『虫っていうか『蟲』ね。
 そりゃもうクモーレンみたいに気持ち悪いのばかりのはずよ』

「うひぇええ・・・」
察するに、カードキーを守っているカービィ型生物兵器も蟲がモチーフなのだろう。
このままでは何も始まらないため、私は前へと一歩踏み出し始める。



『フルエ、ストップ』
「ほぇっ?」
曲がり角についた時に、珍しく雫にストップされた。
「こ、交代ですだ?」
『ん、違うわ。
 前方の広い道の両端、穴が空いてるわよね』

確かに、通路が平均台のような橋の形をしている。
バランスを崩せば、真っ逆さまに穴に落ちてしまうだろう。
『何か聞こえないかしら?』
「・・・な、なんか背筋が寒くなるような『ガサガサ』って音が沢山・・・」
とりあえず私は、その穴の中を恐る恐る覗こうとした。
『待った、不用意に近づかない方がいいわ』
「ふぇっ?!」
『近くに敵がいたら、驚いたときのバランスで落ちてしまうかもしれない。
 出来るだけ、中央を歩いて。
 あたしは・・・この穴の中に何がいるのか、予想がつく』

一体、沢山の足音のような物の正体は何なのか。
私は雫に聞いてみる事にした。

『死体の廃棄処理と言う意味で、『アバドン』って名付けられてる。
 ・・・ムカデとかミミズとか、ワーム系の蟲達が敷き詰められてるわね』

「・・・・・・、ぞわわっ」
おぞましい、とてつもなくおぞましすぎる。
エッグナーの所の植物の触手とタメを張れるか、それ以上か。
そんな蟲達に集られるのは、それは雫だって嫌がるのも当然だ。
『とにかく、この穴がある所は気をつけて。
 落ちたらまず脱出出来ないわ。
 穴の中にいるワーム達が這い上がって来ないように、ネズミ返しになってるはずだから』

「りょ、了解ですだ・・・」
一度落ちたら、捕まる場所も無く蟲達のエサになってしまうのか。
・・・まさに、生き地獄。



その先にも、あちこちに穴がぽっかりと空いていた。
そんな所に誰が近寄るのだろうか、という隅っこにもあったり、
パウダストが沢山いるのに進みにくい構造をしていたりと。
とにかく穴が気になって仕方が無く、つい目に行ってしまう。

雫は『ネズミ返しになってるから』とは言ってたが、
ひょっとしたら『1匹くらいその穴から這い出てくるんじゃないか』と、心配してたからだ。
「・・・本来、嫌な者は見たくない物よね。
 けど、気になって何故か見てしまうのが、生物の性ってものなのかしら?」
『あるあるすぎですだ・・・』
勿論、この穴の犠牲となりうるのは私だけではなかった。
パウダストの羽が銃弾に当たり、空中にいる手段が無くなって偶然にも穴に落ちていき、
穴からパウダストのけたたましい『ギィ、ギィ』という声が、微かに聞こえた事もあったのだ。
つまりそれは、そのパウダストが羽をもぎ取られてもまだ生きていた、という証拠だ。
「御愁傷様・・・虫が蟲に食われるって一番グロいわ」
『・・・や、今まで私達が見てきた光景も結構負けてませんだ・・・』



「さぁて・・・、・・・っと、これはまた嫌なとこに来ちゃったわね」
『し・・・シズク、今一瞬、変なのが見えたですだ・・・』
何か、緑色の蟲が床の上をピョンピョンと跳ねていたのだ。
それも数十匹単位という多さ。
例えるならば、ミッドバットが最初から巣から全部出ているのではないかと言うぐらい。
「あれは【アーミーホップ】肉食性の軍隊バッタの大群よ。
 まぁ元がバッタだから爆弾で一網打尽に出来るけど、ミッドバットと違って銃はかなり当て辛いわね。
 ・・・むしろ、ナイフの方が簡単そう」
『ど、どっちにしろ、あの大群に集られるのは危険だと思うですだ。
 それに・・・あの、シズク・・・、あれは、本当にバッタですだ?』

「あぁ・・・、言い忘れてたわ、あいつはバッタとカマキリの混合体なんだっけ」
そんな危険な事を言い忘れてたで済まさないで欲しい、と私はそう思った。

「ん〜〜と、爆弾は・・・ん、まだあるわね」
帽子の中の物入れから爆弾を取り出す、が、それと同時にもう1つ何かを出していた。
『? それ、最初のオーガマウスの・・・』
私と雫が最初に出会い、ナイフで倒したオーガマウスの肉だった。
本来、雫はこれを携帯食料として使おうとしていたらしくて、持っていた訳なのだが。
「あいつらは肉食性だからね、エサにして一点に集中させてやるのよっ」
まさかこれを使う時が来るとは、正直私は予想もしていなかった。
雫は出来るだけアーミーホップの視界に入らない場所から、思い切ってオーガマウスの肉を投げた。
すると、アーミーホップ達がそれに飛びつき群がった。
「じゃ、お食事タイムは終了ねっ」
間髪入れず、雫はさらに爆弾も投げつける。

しばらく転がった後、爆弾が爆発を起こし、アーミーホップの群れは見事に爆炎の中に巻き込まれた。
「ふっ・・・全員御愁傷様」
『ほ、本当ですだ・・・。
 お食事の真っ最中に突然攻撃を喰らうのは、確かに・・・』

冗談ではなく黒焦げの炭と化した残骸等の上を、雫はゆうゆうと歩いて先へと進む。



「ふーむ・・・ここの武器貯蔵庫、ロックがかかってるわね」
一番奥に来たところで、鍵のかかった大きな扉が行く手を阻んだ。
エッグナーの時のように、来た道のどこかにあるのかもしれない。
『道に落ちているのか・・・、別の扉があるのですだ・・・?』
「あるいは・・・・・・っ!!」
突如、雫が前方へと飛び退いた。
私は突然の事で驚いたのだが、もっと驚いた事は、振り向いた方向にいた存在。
『なっ・・・なななっ?!!』
「こーいう輩が隠し持ってるって事もあるのよっ」

そこにいたのは、巨大化しすぎて最初は一瞬なんだったのか分からなかった、巨大蟻。
もの凄く細い足だと言うのに、踏みつけられた地面にはひび割れが入る程の力を持っている。

「ま、元がこんなにも巨大化したら、もう生物とも言いにくいわよねっ!
 鍵を持ってるなら素直に渡しなさい!
 って言ってもっ・・・アンタに話は通じないだろうけどっ!」

少しずつ間合いを空けながら、雫は巨大蟻・【グラント】に銃を放つ。
ちゃんと弱点であろう関節の合間を狙い、機動力を少しずつ削って行っているものの、
それでもグラントは細い足を拳のように振り上げ、落ちていた大きな瓦礫をいとも簡単に砕いてくる。
この足に一回でも直撃すれば、恐らく体力をごっそりと持って行かれてしまうだろう。
相手の攻撃範囲から逃げつつ、銃が当たる距離を取り続けていた。

「よしっ! まず1つ!」
銃弾がグラントの一番前の左足関節を貫通し、見事に切断される。
機動力が落ちたグラントに、雫が引き続いて右足の関節にも撃ち続ける。
そして真ん中の足2つ、後ろ足2つも全て切断され、もはや何も出来ない状態となった。
「そんじゃ、これで締めね」
グラントの頭に銃弾を1発、確実に当てる。
息の根が止まったらしく、ピクリとも動かなくなったグラントの体の周りを雫は探し始めた。
「・・・あった、首の関節に」
カードキーは、グラントの首の関節に密着していた。
『なな、何でそんな所に・・・?』
「さぁねー、きっとここの元締めが考えたんでしょ?
 フルエが意外に思った所なんだし、気付かないって思ったんじゃない?」



「さぁて、扉は開いたけれど・・・奥に2つほど扉。
 片方はまたロックがかかっている・・・きっとあの奥に、
 3枚目のカードキーがあるわね」
『穴は・・・、床には無いですだ。
 けど、何だか壁に4つほど空いているですだ』

ワーム達が敷き詰められている穴は無いが、何故か壁に穴が。
『なな・・・何だかその壁から色々と出て来そうですだ・・・』
「うん? まさにそうなんじゃない?」
『へ?』
私の気の抜けた返事とともに、正面の壁穴から大量の蟲たちが現れた!
『うっ、わぁあああ!!?』
「マイクロサイズの飛行虫・・・『コバチ』ね」



「ご名答、ここまで蟲達の洗礼を受けずに済んだとは中々の方ですねっ」



正面のコバチの大群から声が聞こえた。
そのコバチ達が一定の場所で群がると、そこには蜂を思わせる姿をしたカービィがいた。
いや、正しくはこのカービィこそ先程のコバチの大群なのだ。

「申し遅れました。
 私の名は『チャルキッド・アスティベルト』
 見ての通り・・・コバチの集合体です」
「外見や口調は紳士的なようね。
 ・・・でも、捕食方法は全然紳士じゃ無さそうよ?」
雫の皮肉めいた言動にも、チャルキッドはフフッと笑いながら返す。
「それはまぁ、蟲ですから。
 ・・・銃や爆弾などで私にどう勝とうというのでしょうね?」
チャルキッドが挑発をするが、雫は冷静に銃を構える。
「大体の予想はついてたわ。
 だから・・・今考えて倒すのよっ!!」

銃を発砲し、チャルキッドの体に当たったが、
弾の当たった場所だけがあのコバチ達になっており、まるで効いていない様子だった。

「今の発言からして、効かないというのは分かっていた筈では?」
「何もしないよりはマシだと思うわねっ!」
続いて銃を放つが、チャルキッドは体全部をコバチへと変えて回避し、
壁の中へと入り込む。

『シ、シズクッ! あんな分裂されて無効化されるんじゃ
 私達どうすれば・・・!?』

「ここは『武器貯蔵庫』って書いていたわよね。
 だとしたら・・・、・・・あると思う」

『何かがある』という所だけ聞き取れず、雫はもう2つあった扉のうちの1つに向かう。



「むっ?
 戦闘中だというのに一体どこへ・・・」
入り込んだ所とは別の壁穴から出て来たチャルキッドだが、
別の部屋へと移動する雫を見てキョトンとしていた。



『シズク?! 何を探しているんですだ!?』
「あいつは小さな蟲の集合体なんでしょ?
 だとしたら効果覿面な『あの』武器があるはずなのよっ」
『も、・・・もし無かったら?』
「・・・それなりの覚悟は決めておく事ね」
相変わらず雫の言う事は突発的である・・・。
「っ、見つけたわ!」



「さぁて、仕切り直しよっ?」
雫が武器貯蔵庫から持ち出して来たのは、『火炎放射器』
確かに物理的な銃弾は効かずとも、火炎ならば効果はあるはずだ。
「なるほど・・・まぁ、
 ここが武器貯蔵庫である事を幸いと思うべきですね」
「? あんた、ひょっとしてこの事も予想済み?」
どうやら、武器貯蔵庫や火炎放射器の事については、
チャルキッドも承知の上でここにいたらしい。
「えぇ・・・、狩りにはそれなりのスリルも欲しかったので、ね!」
チャルキッドの触覚部分がコバチへと変化し、私達に襲いかかってくる。
「燃やし尽くしてやるわっ!」
火炎放射器のスイッチを押すと、赤くメラメラと燃える炎が吹き出した!
大まか、4分の3程のコバチは空中で燃え尽き、残りが群がって来た!
「おっとっ!」
『ひゃぁっ!』
雫がいた場所はコバチで埋め尽くされ、
そして、そのコバチ達があたかも鎚のような形へと変化し、襲いかかってくる。
「これは本物の鎚にならないのねっ。
 変化出来るのはあくまでもあんたの体細胞ぐらいってとこ?!」
「お察しの通り。
 まぁしかし、あなたの体に触れれば即座に、喰らい尽くし始めますが!」
ワームの穴の蟲達だけでなく、このコバチ達にも集られて食べられてしまうのか。
何とも想像し難き光景である・・・。
「フルエ! もうそろそろ交代の時間!」
『うぇえ!!?』
そうだ、そういえば忘れていた。
雫はどんな時でも1時間以上は連続で行動はしないのだった。
最低でも15分、雫のインターバルの間は自分が行動しなければならない。

『うぅぅ、がが、頑張りますだぁ〜〜っ!』



「っ!」
火炎放射器を手に持っていた私だったが、銃火器を扱えるような腕は持ち合わせていない。
雫が使っている所は何回も見ているのだが、雫と私とでは『経験』というものが違う。
銃を撃っても反動に影響されない雫、しかし私ではその反動に耐えきれずスキが出来てしまう。
火炎放射器の銃口付近の熱さも、私には耐えきれる自信なんて無い。
雫と交代しているときはその感覚も半分に抑えられているからまだしも、
それを全部受けようものならまず無理である。
そのため、私は何が何でも研ぎすまされた警戒力と瞬発力で、チャルキッドのコバチの群れを回避していく。


「・・・? 何故か攻撃をしてこなくなりましたね」
10分程経ったところで、チャルキッドは私の変化に気付いたようだ。
と、同時にチャルキッドは全部の体をコバチへと変え、再び壁穴に入り込む。
「どど・・・、どこから現れるですだ・・・!?」
私は警戒力をますます高め、入った穴の中にいるコバチ達の音に耳を澄ます。



ブゥゥゥーーー・・・ン



止まった、左の穴。
ザバッ、と読み通り左の穴からコバチの大群が現れ、予め行おうとしていた動きを体に命令させる。
右へと飛んで避け、床にコバチが叩き付けられる。
「くっ・・・読まれましたかっ」
一度カービィの姿に戻るチャルキッド。
今度はメガネ部分が全てコバチへと変わり、2つの球状の物へと変化する。

よく考えてみると、チャルキッドはコバチに何かしらのフォーメーションをかけた後、
必ずカービィの姿へと戻り、それから再びフォーメーションを変えてくる。
だとすると、一網打尽のチャンスは攻撃後。



「遊びの時間をそろそろ終わらせたい所ですが、ね!」
2つの球状のコバチが塊で飛んで来る。
チャルキッド本体はその間、手の動きでコバチを指揮しているようだ。
つまり、このコバチ達も全てチャルキッドの意思。
いわばコバチの1匹1匹が全部違う動きをするわけではない。
ということは、チャルキッドが『全員違う動きをする』といった命令でもしない限り、
埋め尽くされる程囲まれるといったことは無いだろう。

「中々当たらない・・・!
 こうなったら奥の手・・・、この部屋全てを埋め尽くすしましょう!」
そう考えていたらまさにチャルキッドはその方法で攻撃を仕掛けようとしていた。
しかし、避け続けているうちに15分はとっくに経っており、
チャルキッドも一度カービィ体に戻ろうとしていた頃だ。

そこでちょうど、私は雫と交代した。

「一足遅かったようね。
 頭の中でフルエから攻撃チャンスを教えてもらったわっ!」
「!!!」

交代した時にはすでに雫はチャルキッドに火炎放射器の銃口を向けており、
発射スイッチを押していた。



チャルキッドは炎に包まれたが、断末魔を上げる事は無かった。

全身が燃え上がり、飛び散る火の粉の中から、1匹のコバチだけが燃え尽きずに飛び出した。
「・・・1匹だけでは・・・どうしようもありませんね・・・」
そのコバチからはさっきのチャルキッドの声がした。
間違いなく、このコバチこそ本体の核だ。
「生かしておく訳にはいかないけど、
 せめて知ってる情報の1つくらいは吐いてもらうわよ。
 ・・・あと5つのカードキーを守ってる奴ら、どんなのか知っている?
コバチの姿のチャルキッドに銃口を向けながら、雫が質問を投げかける。
「ふふっ・・・・・・。
 あなたも・・・、酷い人ですね・・・。
 ・・・スライム型、デンキウナギ型、ウミユリ型、シロクマ型、カンディル型・・・、
 ・・・・・・この5体が、残りですが・・・、・・・ククリーサ様に・・・出会えたとして・・・、
 ・・・・・・あなたも、死ぬのが・・・・・・オチ・・・で・・・・・・」

チャルキッドが全てを言い切る前に、雫はためらいなく火炎放射器を放った。

「やってみなくちゃ、わからないわねっ」
『・・・あと5体、ですだっ』



帰り道も、床に開いている穴に気をつけながら、
私達は虫地獄を後にした。






3枚目のカードキー、入手。



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