予想以上にミッドバットの巣が多くあり、
誘爆から生き残ったミッドバットに私達は噛まれる事がしばしばあった。
『シズクゥ・・・大丈夫ですだ?
 私は、とりあえず頑張って、気を保っているですだ・・・』

「まぁまだ何とかね・・・けど、
 何度も血を吸われた感覚のせいで、気分が悪いわ・・・」
そう言ってると、目先にはまたミッドバットの巣が。



『うう、ここを通らないといけないですだ・・・』
「ダメージを受けたこの体じゃ、走ってやり過ごすってのも難しそうね・・・。
 応急キットもちょっと使いすぎたし・・・」
すでに応急治療の道具も使い切り、
さっき噛まれた左腕の部分には包帯も絆創膏も無い。

「とりあえず・・・巣を誘爆させないとっ」
リボルバー銃を構える雫。
しかし、



<シギャァッ!>
「!!」
後ろの角から不意にオーガマウスが襲いかかって来た!
かろうじて避けたものの、巣の狙いとは外れた部分に撃ってしまった。
「こ、のぉ!!」
オーガマウスは簡単に撃ち倒したものの、
反対側からはこちらに気付いたミッドバットの群れが、数にして20匹以上。
『シズクッ! ミッドバット達が!!』
「っっ、こんなに多くを相手には・・・!」
すでに巣から大半が離れている為、今更誘爆させたところで効果は無い。
それでも雫は何とか狙い撃つ。



<ギィ! ギィ!>
<ギャァッ!>


「うっ、あっ!」
『きゃあああっっ!!』

外にいたミッドバットだけでなく、巣の中に残っていたものまで襲いかかる。
あっという間に私の体がミッドバットに覆い尽くされ、噛まれていく。
「こ・・・のっ!!」
銃を構えようとしても、次々に噛み付いて吸血して来るせいで狙いが定まらない。
そうこうしているうちに意識が、朦朧として来た。
『シズ・・・クッ・・・頭、が、重い・・・です、だっ・・・・・・
「しまっ・・・た・・・! ・・・血が・・・っっ・・・、・・・
まだ意識を保とうと堪えるものの、限界が来た。

頭が、クラクラする。
目の前が、真っ暗になっていく。
体の中を巡る血が、吸い尽くされている感覚がわかる。



私達を襲っていたミッドバット達の鳴き声が、途切れた。






群がるミッドバット達の中に、見るに堪えない干涸びた『もの』が。






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