「プリス! ノベル! ウォールくん! メーザちゃん!
 早くここから逃げるんだ! いくらなんでも、相手が悪い!!」
カーミラは、4人に逃げるよう促した。
その声を聞いた4人は、すぐに逃げようとした。
......が、

「あなたたち、どこに逃げるというのですか?」
「きっちりと・・・制裁は受けてもらうぜ」
すでにマシンから、2人のカービィが4人の前に立ちふさがっていた。
「やはりあの声は・・・・・・お前だったのか・・・ディアリー・・・!」
メーザは、プリスにやや似た衣装を着ていた、水色のカービィをキッと睨みつけた。
「ディアリー、こいつ知り合いなのか?」
「あなたが聞いてもつまらないと思いますよ、エーボウト。
 ・・・まあ、ちょっとした関係ですが」
水色のカービィの名前は『ディアリー』、翼の生えた紫のカービィの名前は『エーボウト』
エーボウトは少々不満ながらも、これ以上ディアリーに問いかける事は無かった。
「それはさておき・・・・・・メーザさん、あなたは私に用があるのでしょう?
 それで、ご用件は何でしょうかね?」
「っ・・・!! ふざけるなぁあ!!! +×*・・・『コリス』ッ!!」
いつも絶対に見せない、メーザの怒り。昔、ディアリーと何かの衝突があったのかも知れない。
メーザはディアリーに対して、氷の魔法を唱えた。
「おやぁ? あなたにしては随分と珍しいですね。
 荒々しい心をぶつけてくるとは・・・・・・ ー=≡『ネイツ』
怒りのままに唱えたメーザの魔法に対し、ディアリーの魔法詠唱は随分と落ち着いていた。
氷の『コリス』の魔法に対し、熱風の『ネイツ』の呪文によってメーザは真正面から魔法を受けてしまった!
「ぐっ・・・、わあああああ!!!」
魔法の事に関しては右に出るものがいないはずのメーザが、いとも簡単にやられてしまった。
つまり、ディアリーは間違いなくメーザ以上の強さを持っている。
「っ! メーザ!!」
「おぉっと? 友達をかばってる暇なんて、あるのかよ?」
ウォールがメーザを助けようとした矢先、エーボウトがウォールを攻撃して来た!
「邪魔するな! どけぇえ!!」
エーボウトの攻撃に対し、ウォールは剣を手に取って迎え撃った。
しかし、常時飛行しているエーボウトには剣が全く届かず、エーボウトの方は
空中から衝撃波を飛ばして来た!
「おらおらおらぁ!! くたばりなぁ!!」
「プリス・・・! ノベル・・・!! お前達だけでも、逃げろ!!
 このまま全員やられるなんて事は、絶対にさせねぇ・・・!」

『予測状況・・・このまま戦っても邪魔をされつづけるだけですっ』
『仕方ねぇなー・・・お前ら、まずはこのメカに攻撃してる『スターヤード』のやつを殺せ』
・ワ・カ・タ・・・ス・グ・ニ・コ・ロ・シ・テ・ヤ・ル・
『ものの数秒で・・・おしまいだなっ』
「!!?」
カーミラは、自分の周りを見回した。
すでに、マシンから飛び出したH・Pの団員に囲まれていたのだ。
「きゃはっ☆ 残念ですけれどー、あなたはここでお別れでーすっw」
・ヒ・ト・オ・モ・イ・ニ・ケ・シ・テ・ヤ・ロ・ウ・
「そーいうことっ、じゃーなーっ」
(くっ・・・・・・、プリス・・・ノベル・・・みんな・・・・・・!! 
 ・・・すまない・・・・・・!!)

「・・・おや? ・・・ふふっ、どうやらあちらの方は、決着がついたようですね」
「!? ・・・え・・・・・・?」
ディアリーが振り向いた方向を、プリス達は、血の気が引いたような顔で見た。
「・・・お・・・とう・・・さん・・・・・・?」
その方向には、カーミラがH・Pの団員の一斉攻撃を喰らい、空中から地上に落とされる光景が映った。
「・・・!! おとうさん・・・?!
 お父さんっっ!!!」
プリスとノベルは、無我夢中になってカーミラの落ちた方向へと走った。

「あっけなかったねーっ」
・イ・ガ・イ・ト・モ・ロ・カ・タ・ナ・
「さぁてと、あとはディアリー達の方かな?」
「・・・っ! お父さんっ!!!」
H・P団員達は、少し驚きながら振り向いた。
そこには、息を切らしながら、半泣きの顔になっていたプリスがいた。
「お父さん? ってーことは、君は息子かな?」
・ザ・ン・ネ・ン・ダ・タ・ナ・
 ・コ・イ・ツ・ハ・モ・ウ・・・オ・レ・タ・チ・ガ・コ・ロ・シ・タ・

「・・・そんな・・・・・・」
後ろにいたノベルが、ペタンとその場に座り込んでしまった。
H・P団員に取り囲まれて、傷だらけで横たわっている、父親の姿がそこにあった。

「そういうわけですよ。 もうそろそろ、あなた達も殺してさしあげましょうか?」
「よー、ディアリー。 お前、まだそいつらを殺してなかったのかよ」
「急いては事を仕損じる・・・とも言うでしょう。
 そんなにすぐでなくとも、命乞いの台詞くらいは聞いてやってもいいでしょうに」
ディアリーとエーボウトは、ウォールとメーザを引きずって来た。
2人とも半分意識が無い状態であり、とてももう反撃出来る体力は残っていない。
「まぁ、時間も無限にある訳ではないですし・・・とどめをさしてあげますか」
「・・・・・・待って・・・」
その場で落胆していたノベルが急に立ち上がり、口を開いた。

「もう・・・弟やウォールやメーザを巻き込まないで・・・・・・
 ・・・犠牲になるのは、これ以上犠牲者を増やすのは・・・・・・
 ・・・私だけで十分なの・・・・・・」
「!? お姉ちゃん・・・!!?」
「ほぉ・・・中々肝の座った女だな・・・・・・
 じゃあ、1つ条件を出そうじゃないか。
 お前も殺さないでおく。 だが・・・オレ達『H・P』の団員に入れ。
 ・・・そうするなら、この3人は今日のとこは見逃してやるよっ」
ノベルは、少ししてから無言で頷いた。
自分と引き換えに、3人を助ける事を選んだのだ。
「決定だな。 それじゃ、早速オレ達のアジトへ行くかっ」
エーボウトとディアリーが、ノベルの両肩を持って連れて行く。
意識が朦朧としていたウォールは、力を振り絞って叫んだ。
「待て・・・っ! 行くなっ! よせ!! ノベルゥッッ!!」
「お姉ちゃん! 待ってよ!! 何で!?
 行かないでよ・・・!! ねぇっっ!!!」
プリスも、目に涙を浮かべながら必死で叫ぶ。
その声に、ノベルは少し振り向いた。
「プリス・・・・・・・・」
聞こえるか聞こえないか程度の囁きで、涙を流しながら笑顔を見せる。
・・・あなただけでも・・・元気で・・・・・・
そして、3人はハッチからマシンの中に入り、マシンはすぐに元来た方向へと去って行った。


・・・壊された村。
目の前にいる、父親の死体。
先程までの、悲惨な光景。
そんな中、プリスとウォールとメーザは、取り残された。
他の村人達は、夜になっても、雨が降り始めても、戻って来る事は無かった。

雨の振る音だけが、響き渡るのみであった。
「・・・おとう・・・さんっ・・・!!
 ・・・・・・お姉ちゃぁあーーんっっ!!!!
雨が降る最中でプリスは、暗雲の広がる空に向かって、泣き叫んだ......。







〜APPEAR WORD IN NEXT STORY〜

「ノベルを助けに行くためにも、やるしかない」
「相手に仲間が沢山いるなら、こちらも仲間を作ろう」
「お姉ちゃん・・・待っててねっ・・・!!」
RPG(リアル・ピュアー・グループ)、結成だ!!」


〜TO BE CONTINUE......〜



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